不動産の名義変更手続き

相続が発生した場合,被相続人名義の不動産を相続人名義に登記を変更する必要があります。

現実には被相続人名義のままにされた不動産をよくみかけますが,後に大変な問題が起こる場合があります。

 

被相続人名義の不動産の登記変更を行わないと・・・

例えば,Aが死亡して妻Bと子CDEが相続したとします。

その数年後,配偶者を失った悲しみからBも死亡しました。

CDEは,お父さんの名義をなくすことに寂しさを覚えて名義変更しませんでした。
40年が経過し,その間にCDEも死亡したとします。

Cの子であるFとGの兄弟は,父が代表して固定資産税を支払ってきた土地はもう必要ないので,売り払いたいと考えました。
土地を売るためには,「相続人全員」の同意が必要です。

FとGばかりでなく,Dの妻子,Eの妻子まで全員の同意が必要です。

仮に,Aが若い頃に結婚と離婚を繰り返して,前妻との間に音信不通の子がいたとしたら・・・。

 

一体何人の同意をえなければならないでしょうか。

もとはといえば,Aが死亡した時にきちんと名義変更をしなかったがために,孫の代でとてつもない苦労をかけてしまったわけです。

 

後の世代に不要な負担をかけないためにも,きちんと登記名義を変えておくべきでしょう。

 

相続登記の仕方

遺産分割前

相続を原因とする不動産登記の変更は、相続登記とよばれています。相続登記の申請は、登記しようとする不動産所在地を管轄する登記所で行います。相続登記は、相続人であれば誰でも単独ですることができます。もちろん,例えば3人の共同相続人がいるのに1人の単独名義にすることはできず,法定相続分に基づき3人の共有とすることになります。

 

遺産分割後

遺産分割前に相続登記がされていない場合
遺産分割前に、登記の名義が被相続人のままになっている場合には、遺産分割協議等によってある不動産全部を相続することに決まった相続人が、単独で移転登記をすることができます。この場合は,単独で単独名義にすることができます。登記原因は、「相続」となります。

主な必要書類
① 登記原因証明情報
 遺産分割協議書(付印鑑証明書)
 被相続人の出生から死亡までの戸籍謄本等
 相続人全員の戸籍謄本
② 登記申請人の住民票
③ 固定資産評価証明書


遺産分割前に相続登記がされている場合
遺産分割協議等によって不動産を相続することに決まった相続人が登記権利者(登記せよと求める権利を有する者をいいます。)となり、他の共同相続人が登記義務者(登記権利者に対して登記を移転する義務を負うものをいいます。)となります。そこで、両者が共同して登記申請をします。この場合、「遺産分割」を登記原因として、ほかの共同相続人の持分を単独の所有権者になった相続人に移転する旨の登記をすることになります。

主な必要書類
① 登記原因証明情報
 遺産分割協議書など
② 登記済証(相続登記を受けた際のもの)
③ 印鑑証明書(登記義務者のもの)
④ 登記権利者の住民票
⑤ 固定資産評価証明書

 

登記の費用について

登記を申請する際には税金(登録免許税)の納付が必要になります。
その際必要になる税金(登録免許税)は固定資産税評価証明に記載されている不動産の価格に1000分の4を乗じた価格となります。

下関 083-234-1436 黒崎 093-482-5536
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