相続財産の分け方で困っている
まず初めに,相続人を確定する必要があります。
そのために,被相続人の方の出生から死亡までの戸籍謄本を取得する必要があります。
ごくまれに,隠し子がいらっしゃったり,養子縁組している子がいらっしゃる場合があります。
相続人が確定したら,各相続人と連絡が取れるかどうかを確認する必要があります。
まれに,音信不通のご兄弟姉妹や甥,姪などがいらっしゃるケースがあります。
次に,遺言があるかどうかを確認します。
遺言には,大きく分けて,①自筆証書遺言と②公正証書遺言の二つがあります。
①は,自分で簡単に作成できるというメリットがありますが,形式に瑕疵があったり,被相続人の判断能力が微妙な場合には,後で,遺言無効を争われる可能性も少なくありません。
②は,公証人役場で作成します。①と比較して,手数料もかかりますし,原則として,遺言者が公証人役場に赴く必要があるので,負担も大きいですが,証人が二名立ち会うこともあって,後に,遺言無効を争ってくるケースも①と比較して少ないですし,無効と判断されるケースも少ないと思います。
相続人が確定したら,相続財産を確定する必要があります。
相続財産の種類としては,①預貯金・現金の他にも②不動産(土地,建物),③有価証券(株式など),④動産(車など)があります。
①については,過去10年分の取引履歴を取っておいた方が無難です。
②ないし④については,専門家に査定してもらい,金額を確定する必要があります。
最後に,相続財産の分け方を決める必要があります。
誰が預貯金いくらを取得し,誰が不動産を取得するなどの分け方が話し合いでまとまれば,遺産分割協議書を作成することになります。
遺産分割協議書が完成すれば,それに基づいて,預金の払い戻しを行ったり,不動産の登記名義を変更することになります。
相続財産の分け方について,話し合いがまとまらない場合には,相手方の住所地を管轄する家庭裁判所に対して,遺産分割調停を申し立てることになります。
万が一,遺産分割調停でも話し合いがまとまらない場合には,遺産分割審判に移行して,裁判官の判断を仰ぐことになります。