兄弟姉妹間の相続トラブル
「父の生前は兄弟仲が良かったんです。相続も均等に分けようと話していました。しかし,いざ父が亡くなり話し合いをしようと遺産を調べてみたら兄弟と酷い喧嘩になってしまった。」
こういった悩みを抱えている相談者は意外と多いです。今回は兄弟姉妹間の相続トラブルについて解説します。
兄弟姉妹間の相続分
兄弟姉妹間の相続分は民法900条第4号に定めがあります。
「兄弟姉妹が数人あるときは,各自の相続分は,相等しいものとする。ただし,父母の一方のみを同じくする兄弟姉妹の相続分は,父母の双方を同じくする兄弟姉妹の相続分の二分の一とする。」。
つまり,両親が同じ兄弟姉妹間の相続分は平等ですが,そうでない場合は相続分が半分になります。例えば,亡くなられた方と父母が同じ兄弟姉妹(全血兄弟)が一人(Aとします。),父が同じ兄弟姉妹(半血兄弟)が一人(Bとします。)いたとすると,それぞれの相続分はA=2/3,B=1/3となります。
兄弟姉妹が公平に遺産分割する方法
遺産分割は,各遺産の評価額を算出し,相続人の取得額が法定相続分となるように分けるのが基本です。分割方法には現物分割・代償分割・換価分割・共有分割などいくつかの方法がありますが,それぞれメリット・デメリットが存在します。詳しいことは弁護士などの専門家に相談しましょう。なお,分割方法の概要は以下のとおりです。
・現物分割
現物をそのまま分ける方法です。それぞれが取得した遺産の評価額が法定相続分に沿わない場合に不公平感が出てしまいます。
・代償分割
取得した遺産評価額の相手方法定相続分額を相手方に金銭で支払う(代償分割)方法です。評価額や代償金の支払い可否で揉めることがあります。
・換価分割
遺産を売却等により現金化して法定相続分に従って分ける方法です。この方法は法定相続分どおりに金銭を分けることになるので公平感は高いですが,遺産が売れない,または売却に時間がかかるなどのデメリットもあります。
・共有分割
相続人で遺産(不動産など)を共有することです。この方法も公平感は高いといえますが,いざ売却する場合に共有者全員の同意が必要であるなど処分がしづらくなるなどのデメリットがあります。
兄弟・親族間の遺産分割で起きやすいトラブル
兄弟姉妹のうち一人だけが介護等の負担を追っていた場合,なにもしていなかった相続人よりも多くの遺産を受け取ってもいいのではないか(寄与分),兄弟姉妹のうち一人だけ学費や生活費を出してもらったり多額の金銭を受け取ったりしていたのだからほかの兄弟姉妹は遺産を多く受け取るべきではないか(特別受益),財産管理をしていた兄弟姉妹が被相続人の許可なく遺産を使い込んでいた疑いがある場合(不当利得等)など,兄弟姉妹間で不公平感を感じた場合にトラブルが生じやすいです。
また,相続人ではありませんがこれに近しい立場の者が兄弟姉妹間の協議に口添えした結果,話し合いがまとまらない,兄弟姉妹間で仲たがいが発生するなどのトラブルもあります。
兄弟姉妹間で遺産分割トラブルが生じた際に取るべき対応
まずは,相手がなぜ納得できないのかをきちんと把握することが重要です。
しかし,トラブルが生じている段階では,売り言葉に買い言葉で応対してしまっているなど,既に冷静な話し合いが出来ない状態に陥っていることも多いです。この場合は弁護士などに相談し,代理人を介した話し合いをするのがよいでしょう。
兄弟での遺産分割トラブルを起こさないためにできること
遺産分割にかかるトラブルはささいな食い違いが原因で生じていることも多く,価値観の違いや不信感が基礎になっていることも多いです。
被相続人は,生前から自分の意思を各相続人に伝えておいたり,遺言書を残すなどしておくとトラブルが防ぎやすいです。
また,金銭管理をする場合には,可能な限り金銭の使途を記録・領収書等を保管しておき,他の相続人に聞かれた場合に答えられるようにしておくなども有効です。
当事務所でサポートできること
上記のとおり,被相続人の生前は兄弟姉妹の仲が良かった場合でも,相続開始前後に判明した事情等により遺産分割協議がまとまらなくなることは多々あります。
弊所で遺産分割のご依頼を頂いた場合,他の相続人とのやり取りの他,財産調査等も併せて行います。感情的になってしまい他の相続人との話し合いが出来なくなった,被相続人の財産が使い込まれてないか調べたいけど時間がない等でお悩みの方など,相続に関してお悩みの場合は一度ご相談ください。












