被相続人の妻が認知症だったため、成年後見の申し立てを行い解決した事例
1 事案の概要
法定相続人は,妻と子どもが二人(一人は前妻の子供,もう一人は後妻の子で養子)で,主な遺産は,被相続人が生前居住していたマンションと預貯金でした。
法定相続分は妻が2分の1,子どもたちがそれぞれ4分の1でしたが,養子は相続放棄の手続を行ったため,妻が2分の1,前妻の子供が2分の1になりました。
前妻の子供が被相続人の通帳等を持っていたが,被相続人の妻が認知症であったため,手続をどのように進めればいいか分からず,当事務所にご相談に来られました。
2 事件処理
被相続人の妻が認知症ということをお聞きして,当事務所としてはすぐに成年後見の申立てを行いました。成年後見人には子どもが選任されました。
その後,当事務所の弁護士が成年後見人の代理人として,前妻の子供との交渉を進めましたが,前妻の子どもが既に被相続人の口座から引き出していたお金の取り扱いなどを巡り,話がまとまとらず,調停を申し立てることになりました。
調停において,前妻の子どもが既に被相続人の口座から引き出していたお金は持ち戻して計算し直すことになりました。
また,マンションをどのように換価するのかも争点の一つでしたが,被相続人の妻が単独取得して売却手続きを取った後,売却代金から諸費用を控除した残額を法定相続分で分割するという内容で調停が成立しました。
3 弁護士の目
相続人の中に認知症の方がいる場合,手続きをどう進めたらいいかお悩みの方も多いと思いますが,当事務所では成年後見申し立て手続きのお手伝いもすることができますので,お気兼ねなくご相談いただければと思います。
また,遺産の中に不動産が含まれる場合には,分割方法の選択(現物分割,換価分割,代償分割)に頭を悩ませることが多いだけでなく,本件のように分割方法が決まったとしても換価の方法で悩むことなども多いので,是非一度当事務所にご相談いただければと思います。
当事務所にご相談いただく場合,初回相談については30分無料で対応しておりますし,相続チームでご相談をお伺い致しますので,お電話やメールでご予約いただければと思います。
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